ギャラリー

着物に開眼

きっかけは実は幼少の頃にまで遡る。
祖父と一緒に過ごすことの多かった私は、テレビで見るものといえば、刑事ドラマとヤクザ映画と時代劇。
周りが特撮やアニメ等に夢中になっている中、私は、大江戸捜査網の杉良太郎や、暗闇仕留人の石坂浩二、座頭市の勝新太郎にやんやの喝采を浴びせているという、今にして思えば渋いガキだったのである。

それから二十余年、齢三十三にして初めて着物に袖を通したのが約半年前のこと。
そもそもが先に述べたようにミーハー的なノリの憧れから始まったようなものだから、仰々しい思想は別段ある訳でもなく、ええやん、格好宜しいやん、という、言わば喫茶店の冷やし中華的な、非常にお気軽な感じのスタート だっやのである。

それからというもの、あっちゅう間に着物に開眼。
休日は大抵どこへ行くにも着物を着用するようになった。
私自身、まだまだ「かっこ良い着こなし」のレベルには達しているとは言い難いものの、普段着として、至って普通に着物を着る、というのが、ええなあ、ええことであるよなあ、と思う。
まあ、ある程度は各方面に敬意を表すことは当然あってしかるべきとしても、妙に頭でっかちになったり、着物はかくあるべし、といった格式・伝統に雁字搦めになったりするのは、やはり本意でない。
もう普通に、洋服と同じような気軽さで構わないと思う。
個人的には、将来的に着物にブーツという出で立ちに挑戦してやろうと思っているほどである。

ともあれ、未だ若葉マーク男のため、まだまだ所持している枚数は少ないが、凛さんで色々な反物や帯を見せて頂いたり、この着物にはこんな帯がええかな等とにやにや空想するのが、とても楽しい。
(凛ちゃんとデルちゃんに会いにいくのも目的の一つだったりする)

また、凛さんが主催されている和裁教室にもこれはとばかりに参加。
こらまた、楽しい。おっさん、夢中である。
自分が仕立てた着物で、街中をうろうろするなんて、そらあなた、最高の贅沢っちゅうもんです。

まあ、その域に到達するのに、どれくらい時間がかかるかは「神のみぞ知る」であるが。